
「AIを使うと思考力が低下する」ってよく聞くんですけど、あれって本当なんですか?

結論から言うと「使い方を間違えれば低下する」。実際に研究でも示されてるんだ。でも僕は本業のIT企業で痛い目に遭って、原因は『AIそのもの』じゃないって気づいたんだよね
こんにちは!Renです!
「AIで思考力が低下するんじゃないか」という不安、感じたことありませんか?
この記事では、複数の研究データでわかっている事実と、現役SE(システムエンジニア)として本業でAIに依存して自分で考えられなくなった僕の実体験の両面から、AIで思考力が低下する本当の原因と、今日からできる対策を解説します。
1つでも当てはまるなら、この記事はきっと役に立ちます。
先に結論をお伝えすると、思考力が低下するのは「AIそのもの」が原因ではなく、「考える前に丸投げする使い方」が原因です。AIは「思考の敵」ではなく、使い方しだいで「思考の相棒」になります。
ちなみに、この記事で紹介する「AIと共同作業する正しい使い方」を、プロンプトの型から体系的にまとめたのが下の攻略本です。手早く”思考力を落とさない使い方”を身につけたい人は覗いてみてください。
AIで思考力は本当に低下するのか?【結論】
まず、いちばん知りたい問いに答えます。
答えは「使い方を間違えれば、低下する」です。後述するように、複数の研究でAIの過度な利用と思考力低下の関連が示されています。
ただし、ここが重要なのですが、低下の原因はAIという技術そのものではありません。
・「考える前に丸投げ」する使い方 → 思考力は低下する
・「壁打ち・検証の相手」として使う使い方 → 思考力は維持・向上できる
・つまり、原因はAIではなく「使い方」
「低下させる研究」と「向上させる研究」の両方が存在するのは、まさにこの”使い方の違い”を反映しているからです。順番に見ていきましょう。
AIで思考力が低下する科学的根拠【研究データで解説】
まずは「低下する」側のエビデンスから。代表的な3つの研究を紹介します。
研究①:AI利用が多い人ほど批判的思考が低い(Gerlich研究)
SBSスイス・ビジネス・スクールのMichael Gerlich氏が学術誌Societiesに発表した研究です。
英国の666名を対象に、AIツールの利用頻度と批判的思考の関係を調べたところ、AIをよく使う人ほど批判的思考のスコアが低い傾向が示されました。その背景にあるのが「認知的オフローディング」という現象です。
本来は自分の頭で行う「分析・評価・判断」といった思考プロセスを、機械に肩代わりさせること。便利な反面、続けると自分で考える機会が減り、批判的思考の力が弱まっていく。
研究②:生成AIで批判的思考の「労力」が減る(Microsoftの調査)
Microsoftが発表した調査も話題になりました。知識労働者319名・936件の生成AI利用事例を分析したものです。
この調査では、生成AIへの信頼が高い人ほど批判的思考に割く労力が減り、仕事の中身が「自分で考えて作る」から「AIの出力をチェック・管理する」方向へ変わっていくことが示されました。過度に依存すると、自立した問題解決のスキルが落ちるリスクがあると指摘されています。
研究③:AI依存で脳活動が低下する(MIT Media Labの脳波研究)
さらにインパクトが大きいのが、MIT Media Labによる脳波(EEG)測定の実験です。
自己申告ではなく、実際に脳の活動を計測したところ、生成AIに頼って文章を書いた人は、自力で書いた人より脳の活動が低く、その傾向が後を引く様子が観察されたと報告されています。
| 研究 | 調べたこと | わかったこと |
|---|---|---|
| Gerlich研究 (Societies誌) |
英国666名のAI利用頻度と批判的思考 | AI利用が多い人ほど批判的思考が低い傾向 |
| Microsoftの調査 | 知識労働者319名・936事例 | AIへの信頼が高いほど批判的思考の労力が減る |
| MIT Media Lab | 脳波(EEG)による脳活動の測定 | AIに頼ると脳活動が低下する傾向 |

3つも研究があると、さすがに「やっぱり危ないのかも」って思っちゃいます…

ところがね、実は『AIで思考力が”上がる”』っていう研究もあるんだ。ここが超重要
一方で「AIで思考力が向上する」という研究データもある
ここが、多くの記事が見落としているポイントです。
実は、AIの使い方によっては批判的思考が「向上した」という研究結果も報告されています。
たとえば、生成AIを「検証・対話の相手」として使った学習(ChatGPTを使ったディベート学習など)では、学習者の批判的思考の態度が高まったという報告があります。生成AIを利用する大学生のほうが、批判的思考や自律的に学ぶ姿勢が高かったとする研究も存在します。
1. AIの回答を「素材」として批判・検証する
2. 自分の問いを精緻化していくプロセスを踏む
同じAIでも、結果が真逆に分かれる。これが意味するのは1つです。
「AIそのもの」が思考力を奪うのではなく、「考える前にすべて丸投げする習慣」が問題だということです。
【実体験】本業でAIに依存し、自分で考えられなくなった話
ここからは、研究では語られない僕自身の話です。
正直に言います。僕は一時期、完全にAIの言いなりでした。

AIを使い始めた頃は「これは便利だ!」って、何でもかんでもAIに丸投げしてたんだ
ブログの記事案を考えるとき。アプリの仕様を決めるとき。すべて抽象的な指示でAIに任せ、返ってきた内容をそのまま鵜呑みにしていました。
一見、効率的でした。でも続けた結果、個人としての成長がゼロだったんです。
・ブログ記事が伸びた理由も伸びなかった理由も評価できない(自分で考えて書いていないから)
・アプリでエラーが出てもデバッグを繰り返すだけで、自分が今どんな機能を作っているのか分からない
・AIが書いたコードをコピペするだけで、それが良いコードかどうかも判断できない
・抽象的な指示で丸投げ
・AIの回答を鵜呑みにする
・自分で検証・レビューしない
・すべてをAIに任せきり
AIが使えない場面で露呈した「自分で考える力」の欠如
そして、転機が訪れました。
IT企業で働く僕は、ある日システムの概要設計書を書く仕事を任されました。自社の既存システムの仕様を細かく理解した上で書く必要があり、機密情報を含むため、すべてをAIに渡すことができない状況だったんです。

このとき初めて気づいたんだ。『あれ、俺、自分で考えられなくなってる』って
・既存システムの仕様理解に膨大な時間がかかった
・情報を整理する方法が分からない(AIに聞けないから)
・どこから手をつければいいか判断できない
・「情報を整理する → 優先順位をつける → 自分で判断する」という基礎的な思考プロセスが抜け落ちていた
AIばかりに頼っていた結果、当たり前にできていたはずの「自分で考える」プロセスが、できなくなっていたんです。研究が言う「認知的オフローディング」を、僕は身をもって体験したわけです。
ちなみに、僕がこの失敗から抜け出すのに使った「AIと共同作業する型」は、上の攻略本にプロンプト付きでまとめています。同じ遠回りをしたくない人はチェックしてみてください。
思考力を低下させないAIの正しい使い方【対策・実践編】
痛い目に遭った僕が、どうやってAIとの付き合い方を変えたのか。
答えは、AIを「共同作業のパートナー」として使うことでした。上司でも部下でもなく、「同僚」のイメージです。

「同僚」かぁ。具体的にはどう使えばいいんですか?
AIとの「共同作業」4ステップ
ブログ記事作成を例に、僕が実践している手順を紹介します。
| Step1 | 自分で構想を固める 「どんな内容を書きたいか」をまず自分で考えます。AIに聞く前に、5分でいいので自分の頭で考える時間を作ります。 |
| Step2 | AIに整理してもらう 自分の考えをAIに伝え、整理・構造化してもらいます。ここでAIは「壁打ち相手」です。 |
| Step3 | 自分でレビュー・修正 AIが整理した内容を自分で読み、「これは違う」「ここは足りない」と判断して修正します。 |
| Step4 | AIに最終チェックしてもらう 自分が修正した内容を、AIに最終チェックしてもらいます。文法ミスや構成の改善点を指摘してもらいます。 |
このプロセスの肝は、「採用する/却下する」の判断を必ず自分が下している点です。AIはアイデアを出してくれますが、最終判断はあなたがする。この判断の積み重ねが思考力を鍛えます。
AIと人間の正しい役割分担については、AIとの正しい向き合い方|過信して失敗した僕が学んだ役割分担で詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
「文章力が落ちる」リスクとキャリア別の判断
正直に言うと、AIの利用で僕自身の文章力はかなり落ちたと感じています。
AIに清書してもらう前提で原稿を書くため、細かい文法や表現力は年々落ちている実感があります。でも、これは「自分がどう生きたいか」によって判断が変わると思っています。
・文章力が仕事に直結する人(ライター、編集者など)
・ボキャブラリーが武器になる仕事(営業、プレゼンなど)
・文章表現そのものが差別化要素になる人
僕の場合は、ブログ記事の「質」より「量と継続」を優先したから、この使い方を選びました。でも、文章力そのものが武器になる仕事を目指すなら、清書まで任せる使い方はおすすめしません。自分のキャリアに合わせて、何をAIに任せるかを決めるのが大事です。
AIに任せること・自分でやることの判断基準【3つの質問】
「結局、何をAIに任せて、何を自分でやればいいの?」
答えは、何でもAIに頼るのではなく、頼るべきところを自分で判断すること。僕はAIに指示を出す前に、次の3つを自問しています。
・単純作業・繰り返し作業 → AI
・戦略的判断・創造的思考 → 自分
・コードや文章の清書 → AI
・最終レビュー・品質チェック → 自分
この使い分けが、思考力を保ちながら効率化も実現するコツです。AI時代の生き残り戦略については、AIに仕事を奪われる前にやるべき3つの対策|AI初心者の実践記録もあわせてどうぞ。
また、「自分で考える前にAIを開いてしまう」状態が習慣化している人は、ChatGPT依存かも…と感じたら読む記事|脳・心理・対策を解説で依存から抜け出す具体策を解説しています。
AIと思考力の低下に関するよくある質問
Q. AIで思考力が低下するという研究は本当にあるの?
A. はい。Societies誌のGerlich研究(英国666名)、Microsoftの調査(知識労働者319名・936事例)、MIT Media Labの脳波研究など、複数の研究でAIの過度な利用と思考力低下の関連が示されています。一方で、使い方しだいで批判的思考が向上したという研究もあります。
Q. AIを使っても思考力を落とさない方法は?
A. 「考える前に丸投げ」をやめ、AIを壁打ち・検証の相手として使うことです。具体的には、(1)まず自分で考える、(2)AIに整理させる、(3)自分でレビュー・判断する、(4)AIに最終チェックさせる、という共同作業の順番がおすすめです。
Q. AIで文章力は落ちる?
A. 清書まで任せる使い方を続ければ、文章力は落ちやすくなります(僕自身そう感じています)。文章力が仕事の武器になる人は、清書をAIに任せすぎないほうが安全です。量と継続を優先する人は、効率化のメリットのほうが大きいでしょう。
まとめ:AIは「思考の敵」ではなく「思考の相棒」
長くなりましたが、まとめです。
研究データが示すのは、「AI自体」が悪いのではなく、「使い方」が分かれ道だということでした。

「考える前に丸投げ」がダメで、「壁打ち相手として使う」のが正解なんですね!

そう。AIは思考を奪う敵じゃなくて、思考を深める相棒。使い方しだいで、君の武器にも、君を弱くするツールにもなる
1. AIに指示を出す前に、まず自分で5分考える
2. AIの回答を鵜呑みにせず、必ず自分でレビューする
3. 「これはAIに任せていいか?」を毎回自問する
大事なのは、「AIに任せる部分」と「自分で考える部分」のバランスです。AIと共同作業しながら、自分の思考力を鍛えていきましょう。
AIを正しく使いこなすためのプログラミング学習法については、【2026年AI時代版】プログラミング独学ロードマップ|SE経験者が実証した最短ルートも参考になります。
「AIを思考の相棒にする具体的な使い方を、もっと体系的に学びたい」という人は、プロンプトの型から手順まで一気にまとめた以下の攻略本が近道です。下のバナーから覗いてみてください。
ではまた!






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